代表者インタビュー/企業情報

家具の営業職から土地家屋調査士へ―佐藤さんが歩んできた独立までの道

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家具の営業職から土地家屋調査士へ―佐藤さんが歩んできた独立までの道
一宮市 建設

異業種から測量の仕事へ転じ、土地家屋調査士の資格を取得して独立した佐藤さん。独立から8年目を迎え、土地の境界確認や登記に関する依頼に対応しています。今回のインタビューでは、現在の仕事を選ぶまでの経緯、境界をめぐる調整の難しさ、紹介を中心に仕事が広がった独立後の歩み、業界の高齢化と人材育成、今後目指す事務所の形について伺いました。

家具販売から、土地家屋調査士として独立するまで

—現在の仕事を始めた経緯を教えてください。
最初に勤めたのは大手の家具販売店で、5、6年ほど営業職をしていました。その後はいくつかの仕事を経験し、地元へ戻ったタイミングで測量の仕事に就いたんです。もともと測量や登記に強い関心があったわけではなく、仕事をする中で測量士の資格を取得したのが、この業界に入ったきっかけです。一方で、会社員として働き続けるよりも、自分で仕事をしたいという思いは以前からありました。当初は測量士としての独立を考えていたのですが、元請けとして仕事を得ることの難しさや、下請け中心になる働き方を考えると、自分の希望とは少し違うと感じていて。
—そこで、土地家屋調査士という仕事を知ったのですね。
知人に相談した際、同じ測量を扱う仕事として土地家屋調査士を教えてもらいました。すぐに事務所へ修業に入り、資格を取得して独立。現場だけ、事務だけではなく、外での測量と書類作成の両方がある点も、自分には合っていると感じたんです。強い憧れから選んだというより、自分に合う働き方を考えた結果、たどり着いた仕事です。

対話を重ね、土地の境界を明らかに

—土地家屋調査士は、具体的にどのような場面で必要とされるのでしょうか。
土地を売却するときなどに、隣接する土地との境界を明らかにするため、測量や関係者の立ち会いを行います。不動産会社から依頼をいただくことが多く、すでに隣地の方との間で意見が食い違っている状態から始まる案件もあります。弁護士のようにどちらか一方の立場に立つのではなく、依頼者から費用をいただく場合でも、土地家屋調査士としては中立の立場で判断しなければなりません。古い地図や公的な資料までさかのぼり、「この資料を根拠にすると境界はここです」と一つずつ丁寧に説明し理解を得ることが大切なんです。
—感情的な対立がある中で、話をまとめるのは難しそうです。
何も決まらないまま終わることもありますし、現況の使われ方が資料と異なれば、別の調整が必要になる場合もあります。私は境界に関する紛争を扱うセンターの業務にも携わっており、必要に応じて弁護士と土地家屋調査士が間に入り、解決に向けた話し合いを進めます。思うように話が進まないこともありますが、時間をかけて調整し、双方が納得していただけたときには、この仕事をやっていて良かったと感じます。

紹介と信頼を積み重ねた独立後の歩み

—独立した当初は、どのように仕事を増やしていったのですか。
修業先の先生がとても良い方で、独立後の半年ほどは仕事を回してもらいながら、自分でも営業に出ていました。同じ頃に参加した経営者の集まりでも相談し、そこから仕事を紹介していただく機会も増えていきました。現在は新規営業をほとんどしておらず、ご紹介やお問い合わせから依頼をいただくことが中心です。独立から8年目となり、前年は土地の売買に関わる測量などを年間50件ほど担当しました。すべてを自分で動かしているため、納期が短い案件などは、受けられないこともあります。
—ホームページでも、顔を出して発信されていますね。
土地家屋調査士は職人気質の方が多く、ホームページで顔を出している人は少ないと感じています。だからこそ、検索した方に顔が見える状態にして、少しでも身近に感じてもらいたいと思い、ホームページを作りました。依頼の多くは不動産会社などの事業者からですが、境界の悩みや、相続を前に未登記の建物に気づいた個人の方が相談に来ることもあります。境界の相談や、相続の手続きで未登記の建物が見つかった方などが、直接相談できる存在でありたいと考えています。

業界の課題と、次世代の育成

—現在、業界が抱えている課題をどのように感じていますか。
土地家屋調査士は年齢層が高く、平均年齢は67歳ほどと聞いています。私自身も40代ですが、業界の中では若い方に入ります。新しく資格を取る人が少ないことに加え、資格を取得しても独立を選ばない人が多く、将来の担い手は足りていないと感じています。外での測量は夏の暑さや冬の寒さがありますが、現場作業だけでなく、資料の確認や書類作成、人との調整もある仕事です。それ以前に、土地家屋調査士という職業自体があまり知られていないことが、大きな課題だと思っています。
—大学で仕事について講義されたそうですね。
土地家屋調査士会の活動で、名城大学の法学部にて「測量の理論と実務」をテーマに話しました。測量の歴史や伊能忠敬の測量方法から入り、現在の実務へつなげる内容です。毎年180人ほどが受講し、そのうち5、6人ほどが職業体験に来ると聞いています。今後は大学だけでなく、工業高校や、進路を決める前の若い人にも、この仕事を知ってもらう機会があってもよいと考えています。

全員が仕事を担える、少数精鋭の組織へ

—今後、事務所をどのようにしていきたいですか。
規模を大きく広げたいわけではありません。4、5人ほどの組織で、一人ひとりが測量から書類作成、関係者との調整まで、一通りの仕事を担当できる状態を目指しています。資格を取ればすぐにできる仕事ではなく、実際の流れを覚えるだけでも半年から1年ほどかかります。特に難しいのは、依頼者や隣接地の所有者とのコミュニケーションです。境界確認の立ち会いをお願いし、異なる意見を整理できなければ、仕事を完了させることはできません。知識だけでなく、経験を重ねながら身につける部分が大きい仕事です。
—人を育てる難しさもありますね。
現在も一人を育てているところですが、自分自身、人に教えることの難しさを感じています。まずはその人が一人前に動ける状態をつくり、その後に未経験の若い人を迎えたいと考えています。2、3年ほどで体制を整え、独立しなくてもよいと思える待遇も用意しながら、長く働ける組織にしたいです。人数を増やすことよりも、誰かに仕事が偏らず、全員が動ける事務所にすることが、今の目標です。

強い憧れからではなく、自分に合う働き方を考えた末に土地家屋調査士となった佐藤さん。中立な立場で資料と対話を重ね、土地の境界に関する問題に向き合ってきました。今後は、顔の見える身近な存在であり続けながら、人を育て、全員が一通りの業務を担える少人数の事務所づくりを進めていきます。
代表者画像
株式会社 佐藤土地家屋調査士事務所
佐藤義之
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代表者情報

株式会社 佐藤土地家屋調査士事務所
佐藤義之
家具販売の営業職を5、6年経験した後、地元に戻り、測量の仕事に従事。測量士の資格を取得し、独立を検討する中で土地家屋調査士という仕事を知る。土地家屋調査士事務所での修業と資格取得を経て独立し、現在は8年目。土地の境界確認や登記に関する業務を行うほか、境界に関する紛争を扱う業務や、大学での講義にも携わる。現在は人材育成に取り組み、4、5人規模の組織づくりを目指している。
家具販売の営業職を5、6年経験した後、地元に戻り、測量の仕事に従事。測量士の資格を取得し、独立を検討する中で土地家屋調査士という仕事を知る。土地家屋調査士事務所での修業と資格取得を経て独立し、現在は8年目。土地の境界確認や登記に関する業務を行うほか、境界に関する紛争を扱う業務や、大学での講義にも携わる。現在は人材育成に取り組み、4、5人規模の組織づくりを目指している。

詳細情報

企業名 佐藤土地家屋調査士事務所
代表者名 佐藤義之
住所 〒491-0037 愛知県 一宮市貴船二丁目10-20
電話番号
設立年月日 2019年7月